心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして
“或富める人に一人の支配人あり、主人の所有を費やしをりと訴えられたれば、”
“主人かれを呼びて言ふ「わが汝につきて聞く所は、これ何事ぞ、務の報告をいだせ、汝こののち支配人たるを得じ」” “支配人心のうちに言ふ「如何にせん、主人わが職を奪ふ。われ土掘るには力なく、物乞うは恥かし。」” “「我なすべき事こそ知りたれ、斯く爲ば職を罷めらるるとき、人人その家に我を迎ふるならん」とて、” “主人の負債者を一人一人呼びよせて、初の者に言ふ「なんじ我が主人より負ふところ何程あるか」” “答へて言ふ「油、百樽」支配人いふ「なんぢの證書をとり、早く坐して五十と書け」” “又ほかの者に言ふ「負ふところ何程あるか」答へて言ふ「麥百石」支配人いふ「なんぢの證書をとりて八十と書け」” “ここに主人、不義なる支配人の爲しし事の巧なるによりて、彼を譽たり。この世の子らは、己が時代の事には光の子らよりも巧なり” “われ汝らに告ぐ、不義の富をもて、己がために友をつくれ。さらば富の失する時、その友なんぢらを永遠の住居に迎へん。” “小事に忠なる者は大事にも忠なり。小事に不忠なる者は大事にも不忠なり。” “さらば汝等もし不義の富に忠ならずば、誰か眞の富を汝らに任すべき。” “また汝等もし人のものに忠ならずば、誰か汝等のものを汝らに與ふべき。” 振り返ってみて、自分ははどうだったろう。 十年もの間ずっと独りきりだったのは恐れのせいか、それとも怠惰のためか。 どちらにしろ、今までただの一度も自分にも他人にも義しく振る舞ったことがなかった。 ここに来たのは、ただ漫然と生きていくことにもう耐えられなくなったからだ。 どこかで踏みとどまらなければ、きっと一生、怠惰で不誠実な人間のままだろう。 まともでない生き方でも、そこが居場所なら腹をくくるしかないのだ。 これからきっともっと酷い目にあうだろうが、結果がどうなるか気に病むのは無駄なことだ。 いつか、全てが終わるときに、「一生涯、骨折りばかりだった。やれやれ、ひどい人生だ」と言うことができれば幸運だと思います。 ユラ シンスケ
by waraino-naikaku
| 2011-02-27 00:20
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